「通帳しかない」はもう古い!事業用口座はネットで使えるようにしよう

「確定申告、面倒くさい…」そのお悩み、解決できます。
令和7年も残りわずかとなりました。個人事業主の皆さん、確定申告に向けた日々の経理作業は順調に進んでいますか?
「通帳とにらめっこして、手入力する作業がどうしても億劫で…」
そんな風に感じているなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
日々の経理作業を劇的にラクにする方法は、意外とシンプル。
それは、事業用口座を「ネット口座(インターネットバンキング)」にすることです。
ネット銀行を使えば、通帳から手作業で入力していた「日付・金額・支払内容」といった情報を、自動で会計ソフトに取り込めます。
なぜネット口座が必須なのか?(通帳との比較)
「通帳だけ」の経理に限界を感じる理由
- 手間と時間がかかる: 記帳のためだけにわざわざ銀行へ行くのは面倒ですよね。スマホアプリで残高を確認できても、肝心な取引データの活用ができません。中には、追加料金を払ってネット口座プランに変更できる場合もありますが、最初から便利な機能が無料で使える口座を選んだ方が効率的です。
- 宝の持ち腐れ状態に: 銀行がすでにデジタルデータとして持っている入出金情報を、活用しないのは本当にもったいないです。せっかく便利なクラウド会計ソフトを導入しても、通帳だけではその力を最大限に活かすことができません。
- 手作業はミスのもと: 通帳の明細を見ながら、日付、金額、内容を一つひとつ手で入力するのは骨の折れる作業です。同じ金額を二重に入力してしまったり、どこまで入力したか分からなくなったり…。最後に残高が合わないと、原因を探すだけで膨大な時間がかかってしまいます。
通帳画像をデータ化する機能の注意点
通帳の画像を取り込むことで自動データ化するアプリ(Google AI studio、Gemini、チャットGPTなど)もありますが、現時点では完璧なデータ化は難しいのが現状です。
これは、生成AIが日本語の文字を正確に読み取る際に、かすれやブレによって認識ミスを起こしやすいためです。完璧なデータとして取り込まれず、結局手作業での修正が必要になるケースが少なくありません。
精度の高いデータ化と時間短縮を実現するためには、最初からネット銀行のデータを取り込むのが最も確実な方法です。
ネット口座のメリット
- クラウド会計ソフトと自動で連携!
ネット銀行の口座とクラウド会計ソフトを連携すれば、経理は劇的に変わります。
- 手入力作業がゼロに: 通帳から一つひとつ数字を入力する作業はもう必要ありません。入出金明細が自動でソフトに取り込まれるので、たとえ経理作業が溜まっていても、あっという間に追いつけます。
- 自動化機能が最大限に活きる: 会計ソフトの便利な自動推測機能も、取り込んだデータがきれいな状態でなければ、その能力を十分に発揮できません。ネット銀行から取り込んだ明細データは情報が統一されているため、「自動で勘定科目を推測する」機能がスムーズに働き、手作業での修正がほとんどなくなります。
無料で使えるネット口座の紹介
ここでは、個人事業主の方におすすめのネット銀行を3つ厳選してご紹介します。
(※屋号付き口座の場合、手数料の条件が変わりますので、必ず各銀行の公式サイトでご確認ください。)
銀行名 | 入出金手数料 | 振込手数料 | 税金納付 | 社会保険料口座振替 |
ゆうちょ銀行 | ゆうちょATMなら無料、コンビニATMは有料 | 他行宛のオンライン振込は165円 | ダイレクト納付OK | 口座振替OK |
GMOあおぞら ネット銀行 | 出金・入金 2回まで無料以降110円/回 条件によって無料回数が増える | 2回目以降74円 条件によって無料回数が増える | ダイレクト納付OK | 口座振替OK |
楽天銀行 | 出金 220円~ 入金 3万円未満:220円~ 3万円以上:0円 条件によって無料回数が増える | 他行宛145円/回 条件によって無料回数が増える | ペイジーのみ ダイレクト納付不可 | 口座振替できない |
ネット銀行は便利ですが、契約する前に確認すべきポイントがいくつかあります。
1. 税金や社会保険料の納付に対応しているか?
多くのネット銀行は、税金や社会保険料の納付にまだ対応していません。ご紹介した銀行以外では、納付に非対応なケースがほとんどです。
せっかく経理を効率化しても、納付だけのために別の口座を使ったり、ATMに並んだりするのは非効率です。契約する前に必ず確認しておきましょう。
2. 今ある口座をネット契約に切り替えよう
「ネット銀行に切り替えるのは大変そう…」と感じている方もいるかもしれません。
実は、現在お使いの口座でも、ネット契約を追加するだけでクラウド会計ソフトと連携できるケースがほとんどです。この契約を追加すれば、過去のデータも自動で取り込めるようになり、ご自身での経理処理が格段に楽になります。
ただし、金融機関によっては、ネット契約をした月以降のデータしか取り込めない場合があります。もし経理処理が溜まってしまっているなら、すぐにネット契約を追加することをお勧めします。これにより、短時間で溜まった経理作業を片付けられます。
例:某信用金庫の場合
- 個人名義口座:ネット契約は無料
- 屋号付き口座:月額1,650円
経理を効率化するためには、手数料を惜しんで手作業を増やすよりも、便利なサービスに投資して時間を生み出すことが何より大切です。
たとえば、通帳のデータ入力をしてくれるパートさんを雇うよりも、ネット口座を一つ追加するほうが、圧倒的にコストを抑えられます。そして、その浮いた時間で、ご自身の事業を成長させるための時間に充てることができるのです。
ぜひ、あなたの事業にぴったりの口座を選んで、面倒な経理作業から解放されましょう。
まとめ:今日から経理を自動化して、時間を生み出そう
日々の経理作業は、もう手入力の時代ではありません。
事業用口座をネット銀行に切り替えるだけで、面倒な入力作業が自動化され、日々の経理は劇的に効率化します。
通帳とにらめっこする時間はもう終わり。浮いた時間を、新しいアイデアを考えたり、大切な顧客と向き合ったり、事業をさらに成長させるための時間に使いましょう。
この記事を参考に、あなたにぴったりのネット銀行を見つけて、今日から経理の自動化を始めてみませんか?